• テキストサイズ

《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼




オーナーが言うように今を大事にして生きる事は
すごく大切だと思うけど…




ふとした時、考えることがある。






私も零くんや同期のみんなみたいに
警察官をやめてなかったら、どうなってたかな…って。




警察に戻りたいとは思ってないけど
もし今とは違う生き方をしていたら
公安の協力者になってなかっただろうし…


ポアロに行く機会もなくて、
みんなと再会することもない…



大好きな零くんと結婚することなんて
絶対なかっただろうな…




…そう考えると、私は今の方が幸せだ。






『私も会長を見習って…
一瞬一瞬の時間を大事にして、日々の生活を送ることにします!』



「ふふふ、美緒ちゃんは本当に素直で良い子だわ〜。
…それよりあなた、結婚したって噂で聞いたけど
それは本当なの?」


『え゛…、ど、どうしてそれを…』


「そんな事はいいの!それより旦那さんってどんな人?
やっぱりハンサム?頭はいいの?年収は?」



『へっ…?いや、あの……えぇ…』






なぜか
私が結婚していた事を知っていたオーナーは
相手がどんな人なのか興味津々で…


今日は警護をしていた時間よりも
ひたすら質問攻めにあったティータイムの方が疲労を感じた。





…そして、警護時間が終了したところで
私は職場の事務所に帰ってきた。





『ふぅ…。東さん、ただいま戻りました…』

「おう、お疲れ。今日はやけにぐったりした様子だな?」

『まぁ…、色々ありまして…』

「色々、ねぇ…。
あそこのオーナーさん話好きだからな〜。」




…さすが、社長。



私の疲労の原因はお見通しか。






「あ、そうだ若山。
さっき公安の風見さんから連絡あったぞー」

『え?風見さんから?要件とかは…』

「詳しくは直接会って話したいから
明日、警視庁近くの日比谷公園に来てくれってよ。」

『はい…、ありがとうございます…』






…直接会って話したいなんて
公安の協力者になってから初めてだ。



盗聴傍受の恐れがある電話やメールがだめってことは……何か大きな問題でも起きたのだろうか。






/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp