第72章 多幸
返事に困っていると家のインターホンが鳴り
モニターを見るとエリスが松田くんを迎えに来たようだった。
みんなで玄関に向かいドアを開けると
久しぶりに会うエリスが笑顔で立っていた。
エ「遅くなってごめんねー!
はいこれ!翔君に誕生日プレゼント!!」
「わーいっ!エリーちゃんありがとうっ!」
『ごめんねエリス。忙しいのにわざわざ来てもらって…』
「ううん!
私こそお開きの時間にしか来れなくてごめんね!
車で来たからみんなの事は私が送ってくよ。」
萩「ありがとう、エリスちゃん。助かるよ。」
みんなが玄関で順番に靴を履いたところで
私は改めてみんなにお礼を伝えた。
『今日は来てくれてありがとね。すごく楽しかった。』
諸「俺達もすごく楽しかったよ。またね。」
伊「飯ご馳走になったし、礼を言うのはこっちだ。
ありがとな。」
松「邪魔したな、ゼロ。」
「あぁ、またいつでも来てくれていいから。」
萩「ほらほら、挨拶はそれくらいにして早く帰ろうぜ?
降谷ちゃんと美緒ちゃんは
これから妹作らないといけないんだからさ?」
『!?ちょっと萩原くん!変な事言わないで!』
本当にこの人は相変わらずだな…!
いっつも揶揄ってくるんだから!!
伊「今夜はもう少し頑張れよー、ゼロ。」
松「翔の願いは叶えてやれよ?」
諸「なんなら弟も作っちゃえば?」
「っ、お前ら…!もう早く帰れ!!」
…いつも通り、帰る時まで騒がしいみんな。
零くんはみんなに揶揄われて
私と同じように顔を真っ赤に染めており
そんな零くんの表情を見るのは久しぶりで、私もつい笑ってしまった。
「みんなまたねーっ!!」
翔はみんなに何度も手を振り
嬉しそうに彼らを見送っていた。
『ふふふっ、零くん顔まだ赤いね?』
「…うるさい。」
クスクス笑っていると、
零くんは翔を抱き上げてお風呂場に向かった。