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《降谷夢》bonheur {R15}

第71章 懸命




そのまましばらく家族3人で一緒にいたが
私も身体を休めないといけない、と看護師さんに言われたので
手術室から病室へ移動することになった。


産まれたばかりの赤ちゃんは
今日は一旦病院側が見てくれるそうだ。

そして零くんは私の入院中の着替えを取りに行くため病院を出て行った。


一人きりになった病室で横になっていると出産の疲労から睡魔に襲われ私はそのまま眠りについた。









ーーー…





少しの間眠っていた私は
体の麻酔が切れたようでお腹の傷口の痛みで目を覚ました。


『うー…痛い…』

「大丈夫か?」

『あ…零くん戻ってきてたんだ。荷物ありがとう。』

「ん…たぶん傷口痛み出すだろうから
起きたら痛み止め飲むようにさっき看護師さんに言われたぞ。」


薬と水を差し出してくれた零くんにお礼を言ってから薬を飲んだけど、想像以上の痛みで顔が歪んでしまう。



「もうすぐ面会時間が終わるから帰らないといけないんだが…こんなに痛がってる美緒を置いて帰り辛いな…」

『大丈夫だよ?
3日くらい経てば良くなるって聞いたし。』

「でも…やっぱり心配だ。
警察だって話して泊めてもらうようにするか。」

『…こらゼロ、職権濫用するな。
それに病院の人にも迷惑かかるからそんな事しちゃだめ。』

「………分かった。じゃあまた明日来るからな?」

『うん。零くんもちゃんと寝て休んでね!』

「ああ。おやすみ、美緒。」


ベットで横になっている私の頬にキスをしてから
零くんは立ち上がって病室を出て行った。




その後2日間、私は激痛に苦しんでいたけど
3日後にはだいぶ落ち着いて痛みを感じる事も少なくなった。



零くんは忙しい中
毎日私と赤ちゃんに会いに来てくれて相変わらず優しくて過保護の彼を愛しく感じた。


ちなみに銀行強盗に遭った時、取り上げられていた私のスマホはすでに戻ってきて、私が無事に出産したことへのお祝いのメッセージがたくさん届いていた。







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