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明日晴れたら

第9章 事件



他の先生たちに現状を聞いてから、私も木ノ葉の森の中を捜索した。どこかにナルト君が一人で佇んでいるんじゃないかと、森中を駆け回った。


不安いっぱいで走り回っていたのに、しばらくして木々の間から聞こえてきたのは、ナルト君の明るい声だった。

「やったぁ!」
「痛たた…」

木の幹の裏から覗き込むと、涙で顔をぐしゃぐしゃにしたナルト君が、イルカ先生に抱きついていた。彼の額には、念願の額宛て。

少し離れた場所には、ぐったりとして気絶しているミズキ先生がいた。


*


程なくしてナルト君は、怪我をしたイルカ先生に肩を貸して、火影邸に顔を出した。

封印の書が戻ってきた後、火影様から聞いた話では、ミズキ先生に唆されてナルト君はその保管場所を聞いたらしい。

彼は封印の書を虎視眈々と狙っていて、その持ち出しのためにナルト君を利用したということだった。

だけど、イルカ先生が先にナルト君を見つけ、事なきを得たらしい。ナルト君がその際、見事な影分身の術を成功させて、ミズキ先生を食い止めた。

そのような経緯で、書は略奪されずに済み、火影様の元へと無事戻ったようだった。


「ナルトの奴、本当に見事でした。あの、難しい影分身の術を成功させたんですよ。……だから、その場で合格に」

背中の痛みに少し顔を引きつらせながら、それでも嬉しそうにイルカ先生は笑っていた。それで、ナルト君が額宛てをしていた理由がわかった。

彼はやっと下忍になったのだ。

(そうか…良かった)

イルカ先生の話を聞いて、ふっと肩の力が抜けた。ナルト君は、真っ直ぐに成長しているのだと安心して。
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