第33章 予兆
僕は先輩を置いて、屋根から飛び降りた。
路地は相変わらず人通りもなく、静かだった。僕は路地を抜け、表通りへと足を進めた。人が行き交い、様々な会話が聞こえ始めた。
一人歩きながら考える。
既にもう里の警備の強化が進められ、僕も明日からすぐにその任務に当たる予定だ。
(大蛇丸か……)
僕は、ビンゴブックに載っていた彼の顔を思い浮かべた。長い黒髪に、青白い肌、整った顔立ちの謎多き人だ。中でも、蛇のように鋭い目元が不吉なものを感じさせた。
(思い過ごしであればいいんだけど……)
話を聞いたときの嫌な予感が、また胸を支配する。僕は足を早め、通りを進んだ。もう今夜にはこれからの警備のための説明がなされる。身支度を整えるべく僕は自宅へと急いだ。