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明日晴れたら

第33章 予兆



「ナルト君とサスケ君、本選出場なんですね。おめでとうございます」
「ああ、もう知ってました?」

僕たちは、届いた蕎麦をすすりながら話をしていた。ナズナさんは、美味しいと蕎麦をひとしきり食べた後、カカシ先輩に話しかけている。

「春野さんは、予選敗退って聞きました。残念ですけど、きっと頑張ったんでしょうね」
「山中家の子とですね。いい勝負でしたよ。昔からライバルのような関係みたいでね」
「そうですか、山中さんと…。春野さんの試合、見てみたかったです」

ナズナさんはさも残念そうに溜息をついた。

「はは。ま、予選は関係者だけですからね」

カカシ先輩は、ざる蕎麦をあっという間に食べ終えて、彼女の問いに答えている。

僕はというと、蕎麦を食べながら聴き耳を立てていた。二人の知る下忍たちと面識がないため、今まで聞いたことを元に想像するしかない。


お冷やで口を潤していると、話題は本選出場の二人に移っていた。

「じゃあ、今は二人とも修行中なんですね」
「そう。流石に俺も、二人同時には面倒見られないから、ナルトは他に頼んでます」

「今日は…」
「ちょっと、確認したいことがありまして…。サスケには、自主練しとくように言い置いてきたところです。まあ、アイツはサボるような奴じゃないから、今頃自分で色々試してると思うけど」

カカシ先輩は、蕎麦湯を飲みながらそう言った。素早い動作で口元は見えず、すぐに口布で隠される。

「確かに怠ける姿は想像できないなぁ」
「でしょ?本選を楽しみにしておいて下さい」
「はい」

ナズナさんは顔を綻ばせて頷き、蕎麦のつゆを飲んだ。気になっていたことが分かり、安心したようだ。

「うん、美味しい!お出汁がいいですね」

そう言って僕の方に顔を向けた。

「そう?気に入ってもらえて良かったよ」

僕もまた、蕎麦をすすりつゆを飲んだ。

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