第24章 巡る季節
(第八班…?)
「もしかして……日向さんの担当の?」
「ええ、そうよ。初めまして、かしら」
「はい。あの、初めまして…」
彼女は腕を組む仕草をしてから、興味深そうに私を見つめた。
教え子の担当上忍に会うのは、この人で二人目だ。睫毛の長い、大きな瞳にじっと見られて緊張する。
「ええと…日向さんは無理していませんか?」
これといって彼女と接点のない私は、アカデミー在学中、とても大人しかった日向ヒナタちゃんのことを思い出しつつ聞いてみた。
「あら、あの子のこと、よく分かってるのね。ヒナタが話題にする訳だわ」
ふふ、と色っぽく笑い、彼女は私を知っていた理由を話した。
班が組まれてすぐ、彼女は班員になった三人の犬塚キバ、油女シノ、日向ヒナタの実力を見ようと、演習を行ったそうだ。
その際、幻術をかけたところ、ヒナタちゃんだけが他の二人より早く解除して少し驚いたらしい。日向家は特殊な瞳術を継承する家系で、それもあるかと思ったが、その時、その瞳術は使用していなかった。
「あの子に聞いたら、アカデミーで習ったっていうから」
「そういうことでしたか…」
「幻術を理解するのは難しいわ。だから、どんな人から教わったのかと思ったの。任務受付にいたイルカさんに聞いたら、貴女のこと教えてくれてね」
急に話しかけられて驚いたでしょう、と彼女はくすりと笑う。
私も謎が解けてほっとした。
「それでね…」
意外にも、話はそこで終わらなかった。