第24章 巡る季節
午後から私は任務受付に座っていた。
また一人担当者が抜けて、補佐を頼まれたのだ。隣にはイルカ先生が座っている。
「次の者」
火影様が重々しく次の来訪者を促す。
扉の外が賑やかだなと思っていたとき、勢いよく部屋に駆けこんできたのはナルト君だった。
「うずまきナルト、ただいま波の国より戻りましたぁ!」
部屋に響き渡るような大きな声で叫んでいる。
後から、カカシさんやサスケ君、サクラちゃんが入ってきた。サスケ君とサクラちゃんの二人は、「ナルト、うるさい」と同時に小さくつっこんでいる。
「第七班、波の国より帰還。護衛任務完了いたしました」
四人が横並びになり、カカシさんがそう報告する。そして、彼は数枚の報告書を火影様に渡している。
火影様はカカシさんから受け取った報告書に軽く目を通し、四人に目を向けた。
「予定より長くなったかの。厳しい条件の元、皆ご苦労だった」
「はい。ギャング集団は抜け忍を雇っていましたが…その者たちからの護衛、集団の殲滅が完了しました。大元を排除しましたので、依頼人に被害が及ぶことは今後ないと思われます」
カカシさんが状況を補足する。
「初めての護衛任務でしたが…ナルト、サスケ、サクラ、それぞれが頑張ってくれました」
ナルト君が受付にいるイルカ先生や私に気づき、こちらにピースサインを送っている。その仕草にこっそりと笑う。隣を見ると、イルカ先生が眉間にしわを寄せていた。
「ふむ。この報告書を見ると、霧隠れの忍が関わっているようじゃの」
「ええ。俺も驚きました。霧隠れの再不斬(ざぶざ)がギャング集団と契約を交わしていたようです。ただ、あくまで契約であって、それが切れたときはこちらの味方のような状況になりましたが…」
「そうであったか。そのような腕を持つ者が、ギャングの依頼を受けるとはのう……しかし」
火影様はふぅと息を吐いてから、また四人をそれぞれ見た。
「忍相手の戦闘や、状況の変化に対応し、護衛任務を果たしたこと、見事。依頼人からも、依頼料と共に感謝の言葉が寄せられておる。次も期待しておるぞ」
「はい!」
火影様の激励の言葉に、三人が晴れやかな表情で返事をしている。カカシさんがその三人を優しい表情で見つめていた。