第22章 手紙
あれからひと月ほど経った。
その間、私はテンゾウさんからの連絡を待ったけれど、身辺に目立った変化はなかった。
前みたいに商店街で偶然会わないかと、よく行く店を覗いてみたりもした。
半月ほど前に文具店の人にそれとなく聞いたものの、色よい情報は得られなかった。最近は見ないねぇ、なんて思案顔で言われてがっかりする。
数日前には、思い切ってカカシさんに聞いてみようかと思いつき、第七班について任務受付の人に聞いた。ところが残念なことに、彼らは国外の任務を請け負っていて、しばらくこの里にはいないようだった。
――また、連絡します。
思い返せば、テンゾウさんは「必ず」とは言っていなかった。
もやもやとした気持ちが胸を支配する。
捜そうにも彼についての情報は少なくて、すぐに手は尽きてしまうだろう。こちらから出来ることは何もなく、ただ待つしかなかった。
(テンゾウさん、どうしているんだろう…)
ふっと溜息が漏れるも、会いたい気持ちは変わらない。
だから、あのときの彼の真剣な眼差しを信じようと、私は気持ちを切り替えた。
ナルト君たち第七班の帰国は、あと半月ほどらしい。カカシさんなら何か知っているかもしれないと、微かな期待を寄せる。
彼らの無事の帰国を見届けると共に、機会があればそのとき聞いてみようと思った。