第10章 贈り物(キャラ)
キャラは言い返せないのか顔にぐぬぬとしわが寄る。おもしろ
呑気にしているとキャラはいつの間にか自室に戻ってその後ドスドスとこちらに戻ってきた。
私の目の前に札束を軽々しくぽんと出す
「え?このお金どこから来たの!?」
「私の賃金だ」
まさか在宅ワークごときでここまで儲かっているとは…
あのニンゲン嫌いのキャラが…
「あとはゲームクリエイトとプレイの報酬」
「だ、大丈夫なの?そんなに働いて体壊してない?」
「うるさい、基本的に私がやりたくてやってることだ。それに働かないと生きていけないって言ったのはさくらんぼなんだし理にかなっているだろ。
兎に角お前が働かなくても私が養えるってことだ」
「養うって…たかが同僚なのに…」
キャラは恥ずかしそうに目を逸らし、黙って私の首に何かを付けた。見るとキャラとアズリエルがつけているものと全く同じロケットだった
じっとそれを見つめていると喜びが顔からじわじわと溢れてくる
「い、いいの、貰って?」
「…」
キャラの沈黙はイエスの意味。ずっと一緒にいたから知ってる
開くと何故か写真は入っていなかった。?を頭に浮かべ蓋の裏を見ると
「…キャラ…なんで…?」
I LOVE YOUと綴られた凹凸を撫でる
キャラはずっと目を合わせてくれなかった
「……本当は…
前から渡したかったんだ。でもお互いに愛を知らなかったあの時に渡してもどうかなって思ったから…」
頭がパンクしそうだった。何を言っているのか理解できなかった。
「…確かにあの時よりは感情を学習できたよ。けどどうしてみんなと同じやつじゃないの?」
「嫌だったか?」
「ううん、そんな……」
「私にとってお前はトクベツなものだから…それも友達とはまた違う。ずっと傍に置いておきたくなる。
好きだ、ノエラ。私とそれ以上の関係になってくれないか?」
指先が震えてた。キャラも私も
体中で熱が疼いている。顔がじんじんしてくる。お腹がムズムズしてくる
恋は一体何の味?
ハート型のロケットを握りこの熱を冷まそうとした