第6章 友達(ナプスタブルーク)
ママと遺跡に住処を移してから約一か月。何もすることがなく退屈だ。遺跡のパズルももう見慣れてしまった。せめて誰か話し相手でもいればよいのだがあいにく他のモンスター達は私たちほど暇じゃないらしい。
遺跡の中をぶらぶら歩いていると、枯れ葉の上に何か見つけた。玉…?いや絹…?表現し難いものがそこに横たわっていた。おとうさんと話した記憶ではないものだ。
「おーい」
「…」
白い物体はじっとして動かない。寝ている…いや寝たふり?
無理やりどかそうとするとそれは体を起こした
「!」
「ゴメンネ、邪魔ダヨネ…今どくカラ…」
「貴方は誰?見ない顔だけどここで何してるの?」
「エ…ボク?
…エット…ナプスタブルーク…
趣味ハ音楽ト一人デ「ゴミの気分」二ナルコト…
ッテ、コンナ事キイテナイヨネ…
ヨケイナ事イッチャッタ………ゴメンネ」
ナプスタブルークと名乗るそれはたじろぎながら話す
「ふーん、貴方もここに引っ越してきたの?」
「ア、イヤ…ボクノ家ハココヨリモズット奥ダヨ。ウォーターフェルッテトコロナンダケド…」
「あ、私が前抜け出したところか。カタツムリがいっぱいいるんだってね。ウチのママがカタツムリパイが好きみたいでね、昔はよく行っていたらしいよ」
「!?」
「どうしたの?」
「ソ、ソノヒト二…デキルダケ食ベナイデアゲテ…ッテ言ッテクレル…?ソノ…カタツムリモ…イキテルシ…
ボクノ家ハカタツムリ農園ダカラ…情ガワイチャウンダ…」
「あ…ごめんなさい。不謹慎だった」
「ベツニ…イインダヨ…考エハ…ヒト二ヨッテ色々アルシ…寧ロ変ナ空気二サセテゴメンネ」
「カタツムリの農園なんてあるんだ…ん?貴方どうやってここから出入りしてるの?」
「ア…ホラ…ボクゴーストダカラ、透ケチャウンダ…」
試しにナプスタブルークの体を触ろうとすると、腕が通り抜けてしまった
「わっ!」
「ゴメン…ダカラ、ハグトカモシタコトナインダ…」