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黄色い花の冠を君へ

第2章 一目惚れ(フリスク)


地下世界で会った不思議な女の子。名前はノエラっていうらしい。モンスターでつかみどころがない子。けど彼女の持つ金麦畑のような艶やかな髪色に魅了された
しばらくトリエルさんのうちにお邪魔させてもらった時僕はこっそり彼女の後をつけた

彼女は遺跡のある場所に着くとハープをとり出し演奏し始めた。こんなところでハープの練習?なんでだろ
すると背後にいたフロギーに話しかけられた

「ケロケロ。ノエラは遺跡の演奏家だケロ」

「え?」

「ノエラが一日一回ここに来てハープを弾き語りするんだケロ。ここには娯楽がないからみんな大喜び!ノエラは遺跡のアイドルケロ。ああやってハープを弾き始めるのが開演の合図だケロケロ」

そう言って僕の横をぴょんぴょんと通り、ノエラの近くに向かった。よく見ると遺跡中のモンスター達がノエラの周りに集まってくる

しばらくするとノエラは歌い始めた。透き通るような歌声と裏腹に不思議な歌詞に自然と耳を傾ける
みんなのために歌ってあげるなんて、なんて優しい子なんだろう。きっと見た目だけでは気づけなかった一面を見られたことに僕は心を弾ませた

「フリスク、見てないでこっちおいでよ」

ずっと見ていたら視線がこちらに向いて気づかれた
諦めてモンスター達の間に座らせてもらう
ノエラはふたたび歌い始めた
「ノエラ…あの…」

「開演中は静かにしているのが礼儀だぞ少年」

「あ、ごめんなさい」

「いいよ、今日はスペシャルゲストがいるから多めに見てあげて」
こんな風に僕のことを弁護し、かつみんなを丸く収めるところも素敵だ

「ノエラは…どうしてここで演奏してるの?」

「そうだなあ…これ私の誕生日プレゼントにママからもらったの。退屈凌ぎにはなるかなってここで弾きながら歌ってたらみんなが褒めてくれた。それだけ。けど、悪い気はしないよ。みんなが喜んでくれてるし」
そう言ってハープの弦を撫でた。この空間に幻想的な音が響く
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