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黄色い花の冠を君へ

第1章 貴方が来るまで…


アンダインから解放された私はパパに話しかけられた

「ノエラ、大丈夫か?」

「うん」

「王、そいつとどういう関係で…」

「私の元家族だよ」

「は?家族?王のご子息はアズリエル王子だけでは…?」

「正確には拾い子かな。身寄りがいないからうちで預かったんだ。今は妻と別れてこの子とは離れ離れになっていたんだ

ノエラはどうしてここに…」

「今日、ママの誕生日なの。カタツムリパイを作ってあげたくて」

「そうか…そうだったね。トリィにおめでとうと言っておいてくれ。
それと、もうここには来てはいけないよ。トリィが心配するだろうし、君のことだからきっと内緒で来たんだろう?
それに、君はニンゲンに似ている。さっきみたいにみんなを混乱しかけない。君が傷つけられても次も私が気づくことができるとは限らない」

「…わかったよパパ、バイバイ」

私はママに見つかる前に家に帰ることにした

『ノエラ、まだ…私のことをパパと呼んでくれるのか…』









遺跡の入り口ではママがウロウロしていた。大分心配をかけていたようだ。これは怒られるな…

「ママ…」

「ノエラ!」

平手打ちでも食らうかなと思っていたが、行動は案外暴力的じゃなかった

「どこに行ってたの…」

「ウォーターフェルまでカタツムリを取りに…勝手に出てごめんなさい」

「なんて聞き分けの悪い子…」

「苦しいよママ」

「貴方までいなくなってしまったら…私はどうしたらいいの!?」

「ごめんなさい、もう行かない」

「全く…罰として今日はおやつ無しです」

「残念、ママの誕生日にパイを焼こうと思ったのに…」

「仕方ないわね、明日無しでいいわ」











「私にはね、一人家族がいるの。昔はもっとたくさんいて賑やかだったんだけどね。ふふっ」


「ちょっと無口な子だけど悪い子ではないからきっと貴方と仲良くなれるわ」

「さあ着いた!
あら?あの子どこに行ったのかしら?急にフラッといなくなるんだから…
ノエラー!出てらっしゃい!」



        ノエラ、貴方の新しい家族よ











これは、貴方が紡ぐ物語
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