第8章 試合の前日
「、なんか目の下隈出来てね?
あの後すぐ寝なかったのかよ?」
『・・・・。』
「どーせまた遅くまで勉強してたんだろ?
あんま無理すんな。」
『・・・・。』
谷中さんの冷たい視線が怖くて、私は聞こえないフリを決め込む。
「つーか俺の話、聞いてんの?顔ぐらい上げろよ。」
玲王の手が私の顎へと伸び、無理やり顔を上げようとしてきた。
『〜〜〜〜くっ、』
顔を上げまいと踏ん張っていると、谷中さんがゴホンッと咳払いをした。
ビクッと肩を上下させる私を睨みつけると、谷中さんは玲王の腕に自身の腕を絡み付けた。
「玲王くんっ、私の質問に集中してもらってもいーかな?」
その甘い声と密着させた身体を見て、何となく察しがついてしまった…。
今まで何度となく見てきたソレ。
玲王に気に入られたい。
ハイスペックな彼氏が欲しい。
彼を自分のモノにして周りにマウントをとりたい。
玲王を取り巻く女子達の傲慢な欲。
ブルーロックに来ても尚、この光景を目の当たりにするなんて思ってもみなかった。。。