第1章 幼馴染
私は高3になり、玲王は高2。
相変わらず多忙な玲王とは時々メールで短いやりとりするぐらいになっていた。
同じ高校には通っているけど、学年は違うし、そもそも私は学校では玲王と接しないようにしている。
これは小学校や中学で受けたイジメから学んだ事で、玲王と親しげに接すると一部の女子からハブられたり陰口を言われたりするからだ。
女子、という生き物を敵に回すといかに怖いか身をもって知った。
だから高校では玲王を見かけても話しかけないし、まず近寄らない。
そもそも見た目が地味で生真面目な私と超人気者の玲王が幼馴染だという事はおそらく誰も知らない。
そんな学校イチの人気者が、この春からサッカー部に入ったという噂は陰キャの私の耳にも届いていた。