第6章 初仕事
ーー翌日ーー
いよいよ今日からトレーナー補助としての仕事が始まる。
あーーー…緊張するなぁ…。
緊張で胃がキリキリしながらも、トレーニングルームへと足を進める…。
扉が自動で開くと、すでに鏡の前でストレッチをする谷中さんの姿があった。
『お、、おはようございます…!』
鏡越しに目が合うが、すぐに逸らされてしまった。
ーーーあれ、、、今、聞こえたよね…?
その後も応答はなく、かと言ってもう一度声を掛ける勇気はない…
ど、、どうしよう、、、。。。
早く来過ぎた?一応予定の10分前には来てみたんだけど…。
とりあえず邪魔にならないよう部屋の隅で谷中さんの指示を待つ事にした。
それにしても谷中さん、身体柔らかいんだなぁ…。
長い脚は180度近く開き、綺麗な姿勢でストレッチをしている。
バレリーナのような姿に見惚れていると、谷中さんが盛大なため息を吐いた。