第18章 三次選考 ノルマ
『・・・あの、、アンリさん…。』
「ん?」
『私がここで働かせてもらえるのもあと少しですけど、、、
またいつか…アンリさんと一緒に仕事したいです。」
自然と口から出た私の言葉に、アンリさんは目を見開きパチパチと瞬かせた。
『日本のサッカー……って言うより、、
私は選手達を支える仕事をしたいなって…。
あ、でもアンリさんみたいにバリバリ働けるのかって言われたらちょっと無理かもですけど、、、ってアンリさん⁇』
途中まで言いかけた所でアンリさんがガバッと抱きついてきた。
「嬉しいっ!さんみたいな若い子にそんな風に言ってもらえて‼︎
正直今はまだ働きやすい環境とは言えないけど、、、でもきっとこれから日本のサッカー界も大きく変わると思うわ!
いや、、違うわね。私達が変えていかなきゃいけないのよね。」
『アンリさん…』
「さんのような子が1人でも多く増えてくれるように私も頑張るから!」
そう笑顔で話すアンリさんを見ていたら何だか不思議と私まで前向きになれる気がしてきた。
『・・・私もそれまでもっと勉強します。』
私達は顔を見合わせるとフフッと笑い合った。
18歳にして、初めて自分のやりたい事を見つけ、感じた事のない高揚感に胸のあたりをギュッと掴んだ。
親の言う事を言われた通りにこなし、敷かれたレールの上を歩いて大人になっていくんだと思ってた。
私と似た境遇の玲王はとっくに自分の道を見つけて歩み出していたのに、自分には無理だとはなから決めつけて…。
ーーー私でも努力すれば夢を叶えられるかもしれない。
そんな風に思えたのはやっぱりここ、ブルーロックでの経験と出会いのお陰だと思う。
サッカーの知識もない私がこのプロジェクトに参加出来た事に改めて感謝の気持ちを噛み締めたーーー。