第18章 三次選考 ノルマ
愕然と立ち尽くしているとアンリさんが私が戻って来た事に気付き声を掛けてきた。
「さん、お疲れ様!
語学学習のサポートありがとう……、って顔色悪いけど…大丈夫?」
『・・・・は、はい…。
脱落してしまった選手、、、國神さんが残らなかった事に動揺してしまって……。』
「そうよね…。さんが勉強みてくれてる間に最終チームが決まったから…。」
未だ信じられず、手元のパッドを何度も見返しているとーーー
「そうだ、今日はこのまま部屋に戻ってゆっくり休んで?
ここのとこずっと忙しかったし、絵心さんには私から伝えておくから。」
『・・・・でも、、』
私だけ休む訳にはいかないと思い眉を寄せると、アンリさんは私の背中を優しく摩ってくれた。
「ブルーロックはこういう所だって言ってしまえばそれまでだけど…やっぱりそれだけで割り切れるものじゃない。
脱落していく選手の背中を何人も見送って来たけど今でもやっぱり胸が痛むわ。
さんはこれまで選手に寄り添ってくれたから尚の事よね。」
『ーーー…。』
気持ちを分かってくれた事が嬉しいのに、何だか切なさが込み上げてきて口を噤んだ。
きっとアンリさんも心を擦り減らしてるのかもしれない。
そもそもブルーロックを立ち上げる為、才能の原石を集めたのは誰でもない、アンリさんなんだから。
・・・アンリさんは強いな…。
いつも前向きでポジティブだし、私とはまるで違う。
同じ女性としても大人としても尊敬する…。
今は無理でも、私もいつかアンリさんみたいな女性になれるだろうか。