第18章 三次選考 ノルマ
ひとまず雪宮さんの機転のお陰で危機は回避出来たようで、
周りにバレない程度に小さく微笑みお辞儀をした。
その後は周りの手助けもあり、乙夜さんのサポートが無事終了したと同時……
ピンポンパンポーン♪
スピーカーから聞こえる音に全員が耳を傾け室内がシン…と静まる。
「只今をもちまして二次選考を終了。
三次選考の先へ進出するメンバーが出揃いました。
速やかにビブス、ユニフォームを着用し中央ジョイントルームに集合して下さい。」
選手達の目に闘志が宿り、ついさっきまでの顔つきとはまるで別人になる。
「よっしゃ!やっとや…‼︎」
「いざ、出陣。」
一斉に立ち上がった彼らを見て、私も慌てて荷物を纏めた。
とりあえず絵心さんとアンリさんの所に戻らないと…‼︎
『ーーじゃあ私はこれで失礼します。
皆さん、この先も頑張って下さい‼︎』
片手でギュッと拳を握り軽く持ち上げた。
私が彼らにしてあげられる事は何もない。
才能の原石が光り輝くその時まで、私はただ祈り応援するぐらいしか出来ない。
どうか彼らの行く道が希望に満ちた明るい場所であるようにーー。