第18章 三次選考 ノルマ
『さすが糸師さん、凄いですね!
全問正解、100点です!』
英語の小テストを返却している。
「・・・・その苗字呼び、やめろ。気色わりー。」
『ーーー?じゃあ…凛さん、で。』
機嫌を損ねてしまったのか、凛さんはフンッとそっぽを向いてしまった。
・・・苗字で呼ばれるの、抵抗があるのかな。
それにしても気色悪いって…。。
そう言えば皆んなからも下の名前で呼ばれてた気がする。
知らなかったとはいえ何だか申し訳ないような気持ちになり、シュン…と肩を落としていると、
「気にすんな、。凛はいつもこんな調子だから。
それより俺のは?何点だった?」
隣に座っていた潔さんが明るく声を掛けてくれた。
『ありがとうございます…。
えっと、潔さんは、、、こちらです。』
答案用紙を裏にして返すと、潔さんが手にするより早く横から伸びてきた手に奪われてしまった。