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ブルーロック 青い監獄で始まる恋

第17章 ゴッドハンド その②


ーーーさて、もういいかな。

気にし過ぎかもしれないけど、少しだけ時間稼ぎをしてみた。


すぐに出て行って鉢合わせしたらまた何か言われそうだし…。



片付けと言っても特に片すようなものはなく、バッグを抱えてトレーニングルームを後にする。





「あ、ちゃん、早かったね♡」

『えっ⁉︎乙夜さん⁈』


部屋を出てすぐ、壁にもたれ掛かるようにして乙夜さんが立っていた。


こ、、これは、、待ち伏せというやつでは…⁈

しかも烏さんは先に戻ったのか乙夜さん1人しかいない。


これはーーーーマズイ。




「もう消灯時間だし女の子1人じゃ危ないから送ってくよ。」



いや、そう言う乙夜さんが1番危ない。
いくら鈍い私でも送り狼という言葉ぐらい知っている。 


この涼しげで飄々とした見た目に騙されてはいけない!



私はぎゅっと荷物を抱き抱え、意を決して口を開いた。



『私の部屋の隣、絵心さんですよ⁈
こんな時間に選手がスタッフの部屋うろついてたらロックオフって言われちゃいます‼︎』


「え、、、まじ?」


『マジです!絵心さん神経質だからちょっとの物音でも過敏に反応するんですよー。』


わざとらしく困ったフリをすると、乙夜さんは「うげぇ〜」と顔を歪めた。



絵心さん、ごめんなさい‼︎
心の中で謝罪する。



「仕方ない。夜這いは諦めるかー。
じゃ、またねちゃん♡」



ヒラヒラと手を振り去っていく後ろ姿を見送りながらーーー


え?今、、、夜這いって言った……?
やっぱり部屋の中に入る気満々だったんじゃん‼︎


絵心さんには申し訳ないけれど、素直に部屋を教えなくて良かった…と内心ホッとする。


それにしても、今日初めて会ったのに終始押され気味だったなぁ…

乙夜さんの手の早さに今後が少しだけ不安になる。


『・・・まぁでも私みたいなのはタイプじゃないだろうし。』


きっと乙夜さんみたいな男の人は、華があってスタイルの良い美人な人がタイプにちがいない。


うん、きっとそう!
1人納得し自室へと戻る。





けれど、この時抱いた不安が的中するのはまた別のオハナシ。。。


end…

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