第16章 寝不足なのは誰のせい…?
自分の理性がこんなにも弱いものだったのかと思い知った時、凪が私の身体をそっと抱き起こした。
『・・・?』
ベッドの上で向かい合わせで座るカタチになると、凪は気持ちを落ち着かせるように深く息を吐いた。
どうかしたのかと凪の顔をじっと見つめると、その目元はほんのりと色付いていて…
またまた不覚にもキュン…としてしまう。
「の全部欲しいけど、それは今じゃない気がする。
この流れで最後までシたらも後悔しそうだし。」
『・・・凪…。』
何だか流れされそうになっていた自分が恥ずかしい……
けど、この場の勢いだけじゃなくて私の事を想ってくれた事が何だか嬉しかった。
凪の胸元を掴んでいた手にキュッと力を込め、
『・・・ありがと。』
蚊の鳴くような声で呟いた。
凪は口元を僅かに緩めると、座ったまま私を抱きしめた。
「お陰で嫉妬は無くなったけど、のせいで俺の心臓うるさいんだけど。」
『・・・・ほんとだ。凪もドキドキ、するんだね?』
引き寄せられた胸から伝わってくる早い鼓動に頬が緩む。
ーーー何だか意外かも。