第16章 寝不足なのは誰のせい…?
・・・怖っ‼︎
よりによって何で馬狼さんなのーー‼︎
めちゃくちゃ頼みづらいんだけど…‼︎
伍号棟で何度か会った事はあるけど、馬狼さんは自身のルーティンやこだわりが強くて私が関わる事はほぼ無かった。
そのせいか、、、話づらいし怖いイメージがどうも抜けない。
『あのー、、えっと実は、、、』
ぎゅっと荷物を抱きしめるように視線を泳がせた。
すると、
「お前、髪びしょびしょじゃねーか!ドライヤーかけろよ⁈」
『・・・え?あ、はぁ、、、』
まさかそんな事を言われると思わず曖昧な返事を返すと、
「はぁ…じゃねーだろ⁈そこら中に水滴が落ちてんじゃねーか‼︎
そもそも髪がなげーのに乾かさねぇとかどーゆう神経してんだよ⁇風邪引くだろーが‼︎」
・・・すごい捲し立てられてしまった。
けど馬狼さんの言う事は最で、毛先から落ちた水滴が床を濡らしていた。
『すっ、すいません…‼︎
女子のシャワールームのドライヤーが壊れてて……。ここに来れば誰かに借りれるかと思って。』
「・・何だよ。それならそうと早く言えよ。」
目鯨を立てていた馬狼さんの表情が僅かに緩んだ。
「ちょっと待ってろ。」
ぶっきらぼうに言い放つとくるっと背を向けた。
もしかして馬狼さん、取りに行ってくれるのかな?
見ためは迫力あるし怖いけど、実は優しいんだな…と思った時ーー