第16章 寝不足なのは誰のせい…?
『・・・・だめだ。全然分からない。』
今までなら何か困ったり分からない事があれば玲王に相談してたけど、さすがに今回ばかりは相談出来ない。
その時ふとアンリさんの顔が思い浮かんだ。
そうだ…!アンリさんなら話、聞いてくれるかも。
"困った事があれば何でも言ってね"って言ってたし。
今度時間のある時に相談してみようかな。
そんな事を考えながら髪を乾かそうと備え付けのドライヤーに手を伸ばす。
カチッ
『・・・・。』
カチカチッ
『・・・・⁇』
何度スイッチを押しても電源が入らない。
『え……もしかして壊れてる⁇』
コンセントを確認したり入れ直したりしてみても、ドライヤーはピクリとも動かず。。。
最悪だーー…。
備え付けのドライヤーは1つしかないし、自分のドライヤーなんて持ってきてないから部屋には勿論ない。
ショートならまだしも肩下まである髪を濡れたまま放置したら風邪を引いてしまう…。
『どうしよう…。』
誰かに借りるって言ってもアンリさんは定例会議だし、、、
男子の浴室には何個かドライヤーがある筈だけど、正直行きづらい。
ーーーでも浴室の前で待ってれば人の出入りはあるだろうからその時にお願いすれば、、、⁈
『ーーーうん。そうしよう…!』
とりあえずタオルを首に下げ手早く荷物を纒めると男子の浴室へと向かった。