第10章 傷を癒すのは…
そうだ……
あの時、國神さんが助けに来てくれたんだ。
そこでハッと自分の着衣を確認する。
ーーー良かった、、、何ともなってない…。
何も無かったかのようにシャツとズボンをちゃんと身に着けていた事にほっとする。
それにしても手、、あったかいな……。
大きくて少しゴツゴツしてて、、、安心する。
ずっと握ってくれていたのかな…。
『・・・・ん?』
國神さんが寝てる奥で、赤色の髪が動くのか見えた。
『ーーーー千切…さん?』
「ふわぁー…、、、やべ…俺まで寝てた…。」
國神さんの身体で見えなかったけど、どうやら千切さんもベッドの脇で寝ていたらしい。
『あの、、、千切さん……』
上体を起こそうとする私を、千切さんが手で制した。
「まだ横になってていい。俺らついててやるから休めよ。」
そう言うと、千切さんはデスクの椅子をベッドの脇に持ってくるとそこに座った。