第1章 幼馴染
『私は玲王みたいに愛想振りまくタイプじゃないし、遊び感覚で誰かと付き合ったりなんかしない!
玲王の方こそそうやって誰かを見下す癖、いい加減やめた方が良いんじゃない⁈』
「はぁ〜?別にの事、見下したりしてねーだろ?
つーか何?今日はケンカ売りに来たワケ?
だったら帰れよ、俺忙しいんだけど。」
そう冷たく言い放った玲王はテーブルのパソコンに手を伸ばすとフイッと顔を背けた。
もう話したくないと言わんばかりの空気を感じ、私はギュッと口を噤む。
『・・・・・玲王のばか。』
ボソッと独り言のような呟きが届いたかどうかは分からない。
私はそのまま部屋を出た。
長い廊下をバタバタと音を立てながら歩く。
バカバカバカバカ…‼︎
バカは、、、私だ…‼︎
玲王の言う事は当たってる…。
玲王とは正反対で人とコミュニケーションを取るのが苦手な私には友達と呼べる人はいない。勿論彼氏も。
学校ではいつも教室の隅で本を読むような地味で影の薄い生徒だ。
親の期待に応えるため必死で勉強ばかりしてきて、成績は常に上位をキープしてきたけれど、それとは引き換えに恋愛や青春の思い出は一つもない。
自分がいかにつまらない人間なのかは嫌と言うほど分かってる…
そんな痛いところを玲王に指摘され、つい感情的になってしまった。
『ーーーっ、、』
唯一、本音をぶつけられる相手から突き放され、本当に1人になってしまったみたいで泣きたくなってくる、、、
下唇をぐっと噛み、霞む視界の先である人物を目にした。