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我が先達の航海士

第2章 First dreamers


「うん。いっつも、七海財閥や龍水が追っかけて来て!僕はただ、プログラムがしたくてっ。僕は数学者じゃないっ、『プログラマー』なんだ。に言うのは筋違いだけど、もう沢山だっ……!」
SAIが手元のお茶をぐいと握り締めた。ペットボトルが軽く変形する。それを見たはポツリと零した。

「SAI君は金魚すくいの金魚みたいだな」
突然の喩えに、えっとSAIが顔を上げた。その視線は何処か遥か彼方の地平線を見るようだった。
「金魚すくいの金魚は、狭い水槽にぎゅうぎゅう詰めな上に、ポイで追っかけ回されて弱ってるんだ」
そこでフッ、と息をついてSAIを見据えた。の夜闇を映す瞳がSAIを見据えた。
「君は七海財閥の水槽と龍水君のポイで疲れてる。労働対価はもっと違うものであるべきだ。SAI君。君にウチの使ってない別荘をやろう。好きに逃げて来たまえ。高校はどういう所だ?」
え、あっ、と戸惑いつつ数学部だと答えるSAI。だろうな、と言いつつがお茶の蓋を摘みペットボトルを左右に降った。
「別に東京でなくてもいいんじゃないか?数学部なら、ウチの経営する高校に行けばいい。そこで最低限の成績を出せ。実力重視だから出席はうるさくない。君のやりたい事もやれるだろう」
「————!!」
家は適当に探して充てる、と言い切るにSAIが尋ねる。
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