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我が先達の航海士

第1章 我が先達の航海士


「もうこれ、人生の航海じゃん」
掴んだ手を離して、が真顔で突っ込む。龍水が自由になった右手で、の顎をくいと上げた。逆転した身長差。が龍水を見上げる形になる。
「今度はなに………むぐ!?」
接吻される自身の家のお嬢様に、家の船大工達やお付の人がひぇっ!と顔を赤らめた。フランソワだけ平静だ。
「こ、こら!!龍水君、おふざけは」
「いや?俺はふざけてなど居ないぞ。」
彼女の中では、まだ子供のイメージなのだろう。子供を叱りつける様なのその心象すらも見据えた龍水が囁く。

「——。俺と来い!!共に世界を渡ろう!!」
強く言い切る、成長し大人っぽくなった少年。その横で、やれやれ少年の気の迷いに付き合う羽目になるとは、とこれから長い航海を共にする航海士が笑った。

新米船長、七海龍水と。熟練航海士、の航海が。今、始まる。
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