第19章 インターハイ予選へ
『なんか‥余計に眠れなくなっちゃった‥‥ってあれ‥大地?』
ゴロンとお布団の上に転がったまま携帯を見ていると
大地からメールがくる
「こんな時間にごめん、寝てるよな?」
『起きてるよ!どうかした?大丈夫?』
短い文章のメールに返信をすると
今度は大地から電話がかかってきた
「こんな時間に起きてるの珍しいな?」
『大地こそ‥どうしたの?』
「眠たかったり無理だったら全然いいんだ‥でももし良かったら‥今からそっち行くから少し会えないか?」
『大丈夫だよ!待ってるから気をつけてきてね』
「ありがとな‥まぁ目の前だから大丈夫だ」
そう言って電話を切った後しばらくすると
着いたぞ とメールが来た
キャミソールの上から薄手のカーディガンを羽織って玄関を開く
「こんな時間に悪い‥兄さんは大丈夫か?」
『お兄ちゃんならぐっすりだから大丈夫だよ!聞こえるでしょ?』
2階の寝室で寝ているはずのお兄ちゃんのぐーぐーという寝息が聞こえて来て
大地と一緒にくすりと笑う
『それで‥大丈夫?眠れない?』
私達で眠れないんだから
大地は3年生だし
主将だし
きっと肩にのしかかってくる重圧は誰よりも重いはずだ
「あぁ‥少し、な」
『あったかいお茶でもいれようか?』
リビングに向かって歩き出そうと背を向けた途端
後ろからギュッと抱きしめられた
「いや‥いい。少しだけこうさせてくれ‥」
薄いカーディガン越しに感じる厚い胸板
太い腕が身体に触れて
とても温かい体温と首筋にかかる吐息に
心臓がとくりと跳ねた
「あったかくて‥相変わらず柔らかいな‥落ち着く」
『大地‥‥コーチも先生も‥潔子さんも私も‥コートには入れないけど、みんなついてるから‥絶対に大丈夫だよ』
胸の前に回された指先だけほんのりと冷たくて
そっと両手で握りしめる
「あぁ‥ありがと。心強いな‥ほんとに」
『コートの中で一緒に戦えたらいいんだけどね』
「花澄がコートの中にいると怪我させないか心配でハラハラするからそれは大丈夫かな」
『え〜?!』
「ははっ‥そんな膨れても可愛いだけだぞ」