第5章 vs大王様
体育館に駆け込んできたのはバレー部顧問の武田先生だった
青葉城西高校の及川さんはセッターとしてとってもすごい人だなって思ってたのに
なんで私忘れてたんだろう?!
「どうした??」
大地に顔を覗き込まれる
『なっ!!なんでもないよ?』
「そうか?」
練習試合、みんなが万全の体制で臨めるように私も全力でフォローしなくっちゃ!
でもなんでいきなり青葉城西なんかと練習試合組めたんだろう‥?
「影山くんをセッターとしてフルで出す事」
その条件を聞いて
いろんな感情が込み上げてきて思わず先生に駆け寄りそうになったけど
その前にまた龍がオラオラと先生に迫っていくので龍の腕に抱きついてとめにはいる
『龍!気持ちは分かるけど落ち着いて!!』
バタバタとしていると菅原さんが話し出す
「俺は日向と影山のあの攻撃が4強相手にどのくらい通用するのかみてみたい」
真剣な眼差しにスッと背筋が伸びる
菅原さんだって烏野の正セッターだから悔しくないはずがない
自分が子供らしく思えて情けなかった
大地が菅原さんの方を見て頷く
「先生 詳細お願いします。」
体育館を出たところで龍が謝ってきた
「ごめんな花澄‥俺ついカッとなってお前にいっつも止めてもらってんな」
『ううん‥龍が行ってなかったら私が行っちゃってたと思う、、なんかスガさんの方が私たちよりもとっても大人だったね?』
龍を見上げて情けなく微笑む
「ほら〜お前らはまた余計な事ばっか考えてんじゃないの!!」
『大地‥』
「スガがああ言ってんだから、お前らは気にしないの!肉まん買ってやるから元気出しなさい?」
大地の優しい笑顔だ
きゅるるる‥
肉まんのことを考えたら急にお腹がなり恥ずかしくてお腹をおさえる
『!?き‥きこえた???』
「おう!バッチリな!それくらいの方が奢り甲斐があるってもんよ!」
龍と大地が笑いながら歩き出す
みんなに奢ってやる!と大地が言うのでそこにいた日向くんも捕まえて
先に帰った菅原さんと影山くんを追いかける事にした
三年生にはやっぱり敵わないな
この人達が悔いなく最後の試合を迎えられるように
最後には最高の笑顔で
出来ることはなんでもやりたいと思った