第16章 体育祭本番

澤村side



走るのが苦手な花澄が
顔を真っ赤にしながら頑張ってこっちに走ってくる




影山と月島



一年生にあんなに頑張られたらそりゃ頑張るしかないよな




走るたびに大きく揺れる胸と
短い丈のユニフォームのパンツが気になって仕方ないが




去年も花澄見たさにカメラ持ったやつの数が凄かったけど
今年はさらに増えている気がする



そりゃ俺だってあんな姿初めてみたし‥
可愛すぎてヤバいけど！


とりあえず対抗リレー終わったら一緒に写真を撮ろうと心に決める




最後のコーナーにさしかかって
2人に抜かされた花澄


3レーンに案内されて位置につくと俺の顔をみてふわりと緩む顔


安心したようなその顔に



なんか幼馴染っていいなってそんな呑気なことを考えた




小さな身体で一生懸命繋いでくれた襷を受け取ってすぐさま走り出す




2人を抜き去るようなスピードは俺にはないが



距離を縮めて
離されないように走るだけの体力はある




『大地〜っ！！がんばれ〜っ！！』




また懲りもせずに嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねる姿



可愛い可愛い俺の幼馴染




「抜き去るスピードはないとか‥っ‥言ってる場合じゃないな‥っ」




みんなが花澄にいい格好を見せようと奮闘する中で
俺だけ遅れをとるわけにも行かず



全力疾走で駆け抜ける




「日向っ‥‥頼んだっ‥‥」




2人を抜くのは無理だったけど




なんとか1人をギリギリ抜いて
次のランナーの日向に襷をたくす





「うぉおおーーっ！頑張りますっ！」




瞬発力の塊の日向が襷を持った途端に凄い勢いで駆け出していった




「ははっ‥やっぱりすごいな日向は‥」



息を切らしながら走り終えたみんなの元へ向かうと
日向を見ながらも興奮した花澄が駆け寄ってくる





『大地すごいねっ！早かったね！かっこよかったよ！わぁーーっ！日向くん早いっ！また一位だっ！』



「わかったから落ち着きなさい、この後応援団もあるでしょうが」




興奮して跳ねる身体を窘める



『うんっ！応援団も頑張ろうね大地っ！』



天真爛漫な笑顔がキラキラと輝く太陽に照らされて
目を細めたくなりそうなほど眩しかった