第14章 *熱
及川さんのベッドの中
お熱が上がり出して寒気がしているのか
たまにふるりと震えるとさらに熱を求めて私の身体をギュッと抱きしめる
抜け出そうにも長い脚を絡められているから動く事も難しい
どうしようか考えているうちに
あたたかな及川さんの体温と
少しの身体の気怠さもあって
気が付いたら私も少し眠ってしまっていたみたいだった
『ん‥なんかあつ‥い』
纏わりつく熱に目を覚ますと
目の前には顔を真っ赤にして汗をかいている及川さんが
少し苦しそうな顔をしていた
『大変っ‥熱が上がってきたんだ‥』
冷たいお水を取りに行こうと思って及川さんの腕の中から抜け出そうともがいていると
ゆっくりと目が開く
「‥花澄ちゃん‥」
まだ虚な及川さんの目が私を捉えると
ゆっくりと顔が近付いてくる
『及川さんっ‥お熱が‥‥んっ‥』
近付いてきた顔がさらに近付いて
突然口付けが交わされたと思うと
口内に舌が入り込んでくる
影山くんや
大地と交わしたキスとは比べものにならないほど熱い及川さんの舌が私の舌に絡んで
私まで熱が上がっていくみたいだった
『はっ‥ぁ‥』
抱きしめられて
後頭部を抑えられたまま
奥深くまでねっとりと熱い舌が口内を蹂躙する
「‥飛雄とどこまでしたの?」
熱に浮かされた及川さんの目がまっすぐに私を見つめたまま
シフォンのブラウスのボタンを一つずつ開けていく
『熱すごいですよ‥私‥お水とってきますから‥っ』
「今までバレー一筋だったくせして‥悪い後輩だね‥」
『ま‥待って‥及川さん‥っ』
ブラウスのボタンを全て外してしまうと
着ていたキャミソールもあっという間に捲り上げて
熱で体温の上がり切った熱い手が私の胸を包み込む
「‥こんなに痕いっぱいつけて‥飛雄も情熱的だね‥」
『ゃっ‥ちが‥っ‥』
昨晩大地がつけた痕の上に
熱い舌が這わされてびくりとする
『ぁ‥あつ‥い‥だめ、です‥及川さんっ‥』
及川さんと同じくらい体温の上がり切った私の身体
2人に気持ちの良いことを教え込まれた身体がもっと熱を求めて疼き出す