第4章 最強の味方と新たな仲間
金曜日
明日は日向くん達の試合だ
楽しみだけどちょっと怖い気もするような‥
そんな事を考えているとふわりと浮いたような感覚になる
頭もよくまわらなくってぼーっとする
授業をなんとか乗り切って部活に向かっていると
くしゅんっとくしゃみがでた
「おーい!!花澄!!大丈夫か?!風邪じゃねーの??」
『夕〜??だいじょ〜ぶだよ?』
夕はおんなじクラスのバレー部の男の子なんだけど
今はちょっと訳あってお休み中
振り向こうとするとふらっとして倒れそうになる
「オイッ!全然大丈夫じゃねーな!!今日は部活やめとけ!俺も今から帰るから家まで送ってってやるよ!」
後ろからガシッと抱き止めてくれる
『ごっごめんね‥そうだね‥風邪だったらみんなにうつしちゃ大変だし、お休みしようかな。。あとは1人で帰れるから大丈夫だよ?』
ニコッと笑って見せるけど
「はいはい!強がらない!!こんな時くらい俺に頼れよ!」
元気ハツラツな彼がニコッとして頭を撫でてくれる
『ん〜〜。。。甘えちゃっていいのかな??ありがとう。。』
夕を見上げるとさらにニカッと笑う
「いーの!!俺は甘えてもらった方が嬉しい!!さ!帰ろー!!!」
さらっと私の荷物を持ちながら私の歩くペースにあわせて歩いてくれる
学校から少し離れて
周りに人もいなくなったころ
パッと手を繋がれる
『??どしたの??』
「倒れられたら困るから!家まで!!いーか??」
夕はいつだって優しい
『ありがとう。。』
ギュッと手を握り返すとあったかい私より大きな手
「俺はバレーしてたらちっさいけど、花澄といたらすっげー背が高くなった気分!!子供みたいにちっちゃくて可愛い手だな!」
私が握り返すと夕もギュッと握り返してくれる
夕は烏野の守護神だ
バレー部の中では確かに小柄だけれども
プレーも性格もとっても頼りになる
『早く、、夕に帰ってきて欲しいな、、、』
ぽつりとつぶやく
「っ!!」
珍しく夕が黙り込む
おう!とこちらを向かずに答えてそのまま優しく私の手をひいてくれる
夕の耳が少し赤くなる
その時大地から電話がかかってきた