第11章 恋慕3−2 花の裁き ヤンデレEND【家康】R18
彼女の髪を撫でながら額に触れるだけの口づけを落としても、もう抵抗しない。
「いい子…俺の言うこと、聞けるね?」
触れた唇の温もり、地肌を指先が滑っていく感覚の心地よさ。
名無しはとろんとした表情で頷いた。
家康は唇の端に淫靡な笑みを浮かべると、片腕で彼女の背中を支えて、もう片方の腕で膝裏をすくい、ふわりと抱え上げた。
壁際まで運び、敷かれた布団の上にそっと下ろす。
「どんなに拒んだって無駄だよ、心が俺にあるのはわかってる。こうして体も手に入れて、名無しはぜんぶ俺のもの」
名無しの上に覆いかぶさり、
「もう逃さない、絶対に」
すでに抵抗する気はないとわかっているのに、両手首を掴んで押さえつける。
そして、思いを込めた口づけを2回、頬に落とした。
「自覚してるよ、狂ってるって。……ぜんぶあんたのせい」
頬から耳へと口づけを落としながら進み、耳朶を唇で柔く挟むと彼女はピクリと身をすくめた。
「名無しがこんなにも愛らしいから…」
吐息まじりに囁き、そのままそっと舌で耳の凹凸をなぞっていく。
熱く濡れた感触と、頭に響く生々しい音に、
「んぁっ…んん」
漏れてしまった名無しの甘い声。
「そう、いい子だね。我慢しないで。可愛い声をもっと聞かせて」
耳を責めながら、家康は器用にスルスルと彼女の着物をほどいていく。
バサッと帯が床に放られ、ほどなく着物も襦袢も放られた。
薄暗い牢の中で、名無しの白い肌はまるで発光しているかのよう。
家康の手は彼女の頬をするりと撫でてから、首筋、胸元の膨らみへと身体の線をなぞっていく。
「ああ…名無しにだけだよ、俺が欲情するのは」
翡翠色の瞳に揺らめく本能の焔。
じりじりと肌を焦がすような視線に名無しの心は射抜かれる。
(ああ、この目。この目に見つめられると駄目…めちゃくちゃにされたくなる)
腰にぎゅんっと響き、身体の内側から熱い潤いが生み出され、とろりと溢れていくのを感じる。
肌をなぞっていた家康の長い指が胸にたどり着く。
柔丘に沈み、やわやわと揉み始めた。
荒々しく触れた昨日とは打ってかわって、まるで綿毛に触れるように優しい愛撫。