• テキストサイズ

イケメン戦国 書き散らかした妄想

第27章 五色の夜 春日山城編2 【幸村】R18



抱きしめられて眠り、やがて朝をむかえた。

「おはよ」

「おはよ…」

そうだ、まだ裸のままだった。

部屋の中はもう明るくて、一気に恥ずかしくなり慌てて襦袢を探して身につける。

「ありがとな、一緒に過ごしてくれて」

至近距離で見た幸村の笑顔は、くやしいほど眩しい。

「うん…」

私の戸惑いと恥ずかしさが、吹き飛ばされてしまいそうなほどの清々しい笑顔。

「幸村って、あったかいね」

「まあな。寒くて寝れない時はいつでも来いよ、もうすぐ春が来るけどな」

そう言って彼は、笑顔のまま私の肩をポンポンと軽く叩いた。

それは仲のいい友達にするような、とてもカジュアルな仕草。

何だかとても変な感じで、私はとりあえず曖昧な笑顔を浮かべた。





部屋まで送ってくれて、二人で廊下を歩く。

あー、どうしよう。

どんな顔していいかわからないよ…。

途中で、昨日ぶつかった廊下の角にさしかかった。

「いくら急いでたからって、いきなり飛び出すなよ、危ねーから。当たりどころ悪かったら死ぬからな」

「あ、はい」

私は半分上の空で、適当に返事をする。

「前にもあったけど、お前は周りを見ずにいきなり走り出すから、それやめろよ。ぶつかったのが俺だったからいいけど、他の奴だと余計なことに巻きこまれる可能性あるし」

心のなかでアワアワしてる私と違い、幸村は全く普通に喋ってる。

部屋に着くと、

「じゃ、朝餉でな」

いたって普通に去っていった。

そういうものなんだろうな。

でも、私のこの複雑な気持ちはどうしたらいいんだろう。
/ 368ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp