第8章 思い出(後編)
迅「どうした?最近思いつめたような表情見るけど。
たぶんさくらんぼ関連だろ?」
遊真「当たり、って言いたいとこだけど。別に心配してくれなくても大丈夫。人に相談したところでどうにかなる話じゃないし。
あいつの反応が変だったから薄々は気づいていたけど…
何だろ…
体が…まだ納得してない…」
迅「お前案外弱いんだな」
遊真「迅さんもそういう時ってあるでしょ
まあでも納得できなくてもいずれ慣れるだろうからそれまで待つよ」
迅「おい、どこ行くんだ?」
遊真「戻る。そろそろオサムが来そうで怖い」
迅「遊真、頼れよ」
迅「メガネ君達もそうだけど俺達はチームだ。確かに問題解消にはならないかもしれないが、
なんせお前には時間がない。俺の予想だけどあいつはお前にとって「お前の時間」の大切な存在じゃないか?」
遊真「………うん…
まあ心掛けてみる。じゃあ、手始めに一つ聞いてもいい?
もしさ、迅さんに死んだはずの仲間がいてさ…奇跡的に生きてたとして…
今まで過ごした大切な思い出も全部忘れられてたら、迅さんはどうする?」
そうだ、おれはあいつに思い出して欲しいわけじゃない
遊真「思い出させる?それともそっとしておく?」
この気持ちをどう対処したらいいのか、これからどう接したらいいのか
遊真「一瞬でも生きててよかったって思えたのに、それをぶち壊された時って迅さんはどう思う?」
分からないだけだ
遊真「なんだこれ、質問になってないな…ごめん迅さん、やっぱ忘れて」
迅「こりゃあ、かなりヘビーだな…(はあ)」