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鍵穴(トリガー)の先

第9章 決断


修は気が気でなかった。どんどん遊真が無口になって行く姿にある種の恐怖を覚えた。話せばいつも通りなのだが何か隠しているような感じを受け取るも、それを聞き出すすべは持ち合わせていなかった


修「次のランク戦のマップはこの三つの中から選んでくると思うんだ。理由は…」

千佳「…?遊真君、大丈夫?」

遊真「ん?」

修「空閑…今ミーティング中だぞ。お前はうちの隊のエースなんだからしっかりしてくれ…」

遊真「ああ、すまんすまん。けど中身はちゃんと聞いてたぞ」

千佳も何かを察したのか心配そうな表情になる





修「よし。とりあえず今日はここまで。各自連携の訓練や確認をしておいてくれ」

「「了解!」」

ヒュ「ユーマ」

遊真「お、なんだヒュース?早速ブース使うか?」



ヒュ「お前は何をそんなに気に留めている」
一瞬空気がピリついたが後先考えずに聞くヒュースの性格に感謝した

遊真「………言わなきゃだめ?」

ヒュ「別にお前の私情に興味はない。事実俺には関係ないからな。ただそれが”次”に引きずられるようなら話は別だ。お前はもう少しチームとしての協調性と利益について自覚しろ」

遊真「お前に言われたくないけどね」
含み笑いを浮かべた後、悩んでいるというよりかは質問と話し出す

遊真「少し先だけど遠征の話。あっちでは戦争がわんさか起きててこっちの世界での捕虜も沢山いる。それを取り戻すのが今回の目的なわけだけど、もしその人達が全員元居た記憶をなくしてたらみんなはどう対応する?」


修「記憶が…消されてるってことか」

ヒュ「前の記憶がない方が駒として扱い易いからな、ほとんどの国がその対応をとってるはずだ。
俺だったら必要以上のことはしない。記憶を取り戻す際にはお互いに負担がかかる。無駄な考え方が張り付いているなら多少は操作させてもらうが、基本的には何もしないほうが今後も動かしやすい」

修「僕も同じかも…今までのことが白紙になっても今後から親密な関係になれることは十分あり得るし。今まで、よりもこれから、の方が大事だと思う」

遊真「なるほど、千佳は?」

千佳「私は…





強引かもしれないけど無理矢理でも思い出させるかも」



修「!?」
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