第22章 *File.22*
「なるほど。でも、珍しいですね」
「今日はたまたま、二人と一緒に動いてるだけ」
公安への異動のことは、捜査一課の刑事達はまだ知らない。
テーブルを挟んで並んで座る初々しい二人を、雪乃は眩しげに見つめた。
何処か、二人を見守るような柔らかな眼差しで。
「ハムサンドはまた今度」
「えーっ!」
「仕事中は、食べられる時にしっかり食べて下さい」
『……』
高木刑事と佐藤刑事にも伝えるように視線を移せば、二人は顔を見合わせる。
「じゃあ、これ」
「はいはい」
デミグラスソースがかかった、オムライス。
「私と高木君はカルボナーラでお願いします」
「畏まりました」
オーダーを聞くと、キッチンへ戻った。