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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第21章 *File.21*


「こんな時間に食べたら太るよ?」
「刑事を辞めない限り、それはないよーだ」

ムッとして、プイと顔を背ける。

「うーん。まん丸の雪乃か」
「まん丸っ?一体何の想像してるの?!」
「くっ、くくくっ」
「景光っ!」
「大丈夫。まん丸になっても、雪乃は可愛いから」
「レディに向かってなんてこと言うのっ?ってか、それって全然大丈夫じゃないやつじゃん!」
「「「くっ、くくくっ」」」

それぞれがまん丸になった雪乃を想像して、俺はフライパンを握り締めたまま、吹き出して笑った。


「なー、姉ちゃん。一コ聞いてええか?」
「なーにー?」
「旧姓は?」
「望月ー」
「…おおきに」
「「「「……」」」」

服部君の腑に落ちない表情に、彼以外は視線を合わせて沈黙する。

「ちなみにツテとコネを使って調べても、何も出ては来ないよー?」
「ハア?」
「……」

これをどういう意味で受け取るのかは、眉を顰めた彼次第。
景光は警視庁とは全くの無関係なのか、それとも警視庁内でデータを抹消される立場にいる人物なのか?
きっとツテを、彼の父親クラスのコネを使っても早々に謎は解けないだろう。
警視庁内で景光の、警察庁内で俺のデータは既に抹消されている。
いや、正しくはデータはある。
だが、真相を調べるには、幾重もの厳重なセキュリティが掛けられている、だ。
警視庁に高明さんと雪乃のデータはあっても、そこには俺と景光の名前も関係性も一切記載されてはいない。
互いに公安に配属された、あの日から。
寧ろ、それでいい。
何よりも雪乃の身の安全を確保し、彼女の存在を護るためなら。

「姉ちゃんは何でこっちの兄ちゃん選んだんや?二人とも幼馴染なんやろ?」
「そりゃ、初対面で運命を感じたからよ!」

と、ニコッと笑ってウインクする。

「「「……」」」

選ぶ選ばない以前に、片方は双子の実の兄だ。

「ちなみにその初対面は、何時の話?」
「ピッカピカの小学一年生!」
「…アテにはならんな」
「服部君も遠山さんと幼馴染でしょ?人のコト言えないじゃん」
「…やっぱり工藤、お前か?」
「何でだよ」

服部君に睨まれた工藤君は、コーヒーカップを片手にため息を洩らす。


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