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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第15章 *File.15*


「最近ね、色々と謎が解けて来たのよ」
「謎?」
「こないだ高木君が言ってたでしょ?お墓参りに行った時、去年は二本だった線香が三本になってたから、二人で誰だろうって話してたって。私、思わずアイツに訊ねちゃったのよ」

あれから数日後の昼休み、美和子と警視庁の屋上で二人。

「……」
「そしたらね、『その謎はスグに解けるぜ』って、返事があったわ」
「で、陣平が言った通り、本当に謎が解けた。と」
「…松田君のこと、名前で呼んでたの?」
「警察学校に入ってわりと直ぐに、兄との関係を怪しまれてさ」
「?」
「私と兄は全然似てないでしょ?だから、バレるまで黙ってたの。そしたら、兄と二人でファミレスで話してるところを、偶然萩と陣平に見つかちゃって。その流れで彼と付き合ってることも、みんなにバレて。それ以来、みんなでよく遊んだのよ」
「だから、松田君がウチに来て一週間、遠くから面倒見てたのね」
「あら、ソコはバレてたのね。ひたすらLINE送りまくって、駄々を捏ねる陣平に無理矢理風呂に入らせてご飯食べさせて。私にはそれぐらいしか出来なかったの。萩の仇を取りたいのはみんな同じだったから、陣平の、私達の三年越しの強い願いを否定することは、絶対に出来なかったのよ」
「同期の誼だからかなーって、勝手に思ってたわ」
「あの日、まさかあんなことになるとは思ってもいなくて。陣平の家へお参りに行けたのは、一ヶ月経ってからだったの。でも私もね、会ったのよ」
「……松田君に?」
「うん。お腹を撃たれて病院に運び込まれた、その日に」

お墓で美和子が陣平の声を聞いた後、私達も彼らに会ったことは、今は黙っておこう。

「……夢、じゃなくて?」
「みんなと触れ合うことが出来たから、夢じゃないわ。あの日、三人と再会して、じゃれ合って話もしたのよ。ただ懐かしくて、何も変わらないみんながただ嬉しかった。まあ、私は再会した直後に号泣しちゃったけどね~」

陣平に抱きついて、子供のように。
あの時の陣平の温もりは、今でもハッキリと覚えてる。

『お前も此処で待ってろ。大丈夫、必ず戻る』

72番目の観覧車に仕掛けられた爆弾を処理するために一人乗り込む陣平がそう言って、思わず駆け寄った私の髪を撫でた。


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