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*名探偵コナン* Daylight *降谷 零*

第14章 *File.14*


「あの扉はどうなったの?」
「聞いてないか?」
「ウチと公安で折半?」
「ああ。あれで事を未然に防げたと思えば、安いものだ。管内でも公には出来ないし、アイツは修理代を兼ねての減給と1ヶ月の停職、今後一切、雪乃に関わらないと誓約書を書かせた。処罰について不満があるなら、遠慮なく」
「不満はないよ、それでいい。確かに怖かったけど、私は零に助けられて、こうして何事もなく無事なんだから。そもそも、罰してもらうのが目的じゃなかったの」
「?」
「誰であろうと、私と零の邪魔をするのは許さない。ようやく手に入れられた幸せ。なんだから」
「!」

ああ、もうダメだ。
頭の中で、外れかかっていたストッパーが派手な音を立てて破壊した。
溢れ出す、身体中を暴れ回るこの想いを止めることはもう出来ない。
それが止めることが出来るのはこの世でたった一人、雪乃だけだ。

「……零?」
「俺は知らないからな」
「なに、っん」

閉まったばかりの玄関先で、その唇に噛み付くようにキスをした。


「まっ、て」
「ムリ」

深いキスの後、くたりと力が抜けたところで横抱きにして風呂場へ直行する。

「予告通りに抱く。覚悟しろ」
「……十日前からしてる」
「後悔するなよ」
「しないよ。貴方への想いは膨らむばからなんだから」
「……俺もだよ、雪乃」

何時になく素直な雪乃に、俺も素直に降参することにした。
ふっと笑みを洩らせば、雪乃もふわりと微笑む。

「今日は暴れないのか?」
「お望みなら、暴れるけど?」
「暴れても構わないが、無駄に体力を減らすだけだ」
「暴れたところで、今から零に抱かれることに変わりがないし?」
「待たせた分も愛したい」
「うん」

風呂場の脱衣所で、お互いの服を脱がし合って間もなく雪乃の動作が止まった。

「?」
「ネクタイを緩めるトコが好き。凄く色気出るから。お色気全開」
「くっ、くくく」

ずっとそんな目で見てたのか。
俺を見上げるクリッとした瞳が、キラキラ輝いて見えるのは気の所為ではないはずだ。


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