第5章 愛の月読【うちはイタチ中編】
「イタチの信じる未来のためなら、私、なんでも受け止めるよ…誰がなんて言おうと、私はイタチを信じてるから」
私の信じる思いが、彼の光になってくれたらと願った。情けないけど、それぐらいしか私にはできそうにない。
アカデミー時代、どこか遠くを見据えている彼を、必死に追いかけていた自分を思い返す。忘れ物をしたイタチに声をかけて、それで。
そう、それで、彼がどれほど大きな敵と戦っているのかを知って、それで私も一緒に強くなりたいって、そう願った。
やっぱりイタチは常に私の一歩前を歩いていたけど、それでも時間をかけて一緒に強くなれた気がした。共に同じものを追いかけることができた。
イタチは何も言わなかった。
こんな結果になっても、イタチを好きになったこと、全然後悔していない。
「……」
イタチの望む未来に、私は登場できないのか…。もう少し、彼と同じ世界を生きていたかった。