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影の花

第33章 闇鍋


紫陽花は可愛らしく笑って小首を傾げると、

「え〜いっ」

瑞の帯を解いた。

「や、やっぱりそういう物なんですねッ」

「よいではないか〜よいではないか〜」

紫陽花は楽しげに帯を外し、瑞の服に手をかける。

瑞は紫陽花の裸を直視しないよう上向きに視線を逸らしながら、生まれたままの姿に剥かれていった。

瑞はひやりとした床に座り込み、下腹部を隠しながら紫陽花の顔を見る。

紫陽花はにこっと微笑んで大鍋を引き寄せると、白い手を浸す。

「これはねえ」

半透明の液体を両手で掬うと、指先から手のひらに至るまで粘液で濡れる。

不思議そうに見つめる瑞の内腿に手を伸ばし、ヌルヌルとした粘液を塗り付けるように動かした。

「うっ!」

初めての感触と、肌の上で厭らしく動く紫陽花の手つきに瑞の体がびくんと跳ねる。

「手……退けて?」

紫陽花は瑞を上目に見上げ、逸物をぎゅっと隠す手を擽る。

「二人だけだから大丈夫だよ〜。こんな時間に誰もお風呂には来ないから安心して?」

瑞は恥ずかしそうに顔を赤らめ、渋々手を上げる。

紫陽花は顕になった瑞のモノをまじまじと見下ろす。

「わ〜……これが瑞ちゃんの……」

「そ、そんなに見ないでください……」
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