第32章 感情、行方不明
「瑞、瑞……瑞の匂いがするよぅ」
「う……」
瑞は椿たちしんべこの部屋に誘い込まれ、布団の上に転がされていた。
椿は横たわった瑞の上に跨り、胸元でスンスンと鼻を鳴らしていた。
すうっと大きく息を吸い込み、瑞の匂いを胸いっぱいに満たす。
目をとろんと蕩けさせ、瑞に抱き着きながら匂いを嗅ぎ続ける。
瑞の胸元は羞恥心でじわりと火照り、汗が滲み始める。
椿は瑞の上に覆い被さるようにして乗っかり、恍惚として匂いを吸う。
椿は気持ち良さそうに腰を上下し、瑞の脚にすりすりと股間を擦り付ける。
柔らかい膨らみが無遠慮に膝に押し付けられ、瑞の眉が跳ねる。
「つ……椿さん、それは……アッ!?」
「ここ……瑞の匂い、すっごいするぅ……」
椿は瑞の腕を持ち上げ、興奮で蒸れた脇の下に鼻先を押し付けた。
汗の匂いを嗅ぎ、顔を赤らめては腰を揺らす。
瑞は赤面し、脚を擦り合わせる。
「椿さんん……」
薄く唇を噛み締め、ふーっと息を漏らした。
「瑞好きぃ、大好きい……」
椿は蕩けきった虚ろな目で言い、
「ここも……」
瑞の下腹部に手を這わせる。
膨らんだ逸物を愛おしそうに撫で、下着に手を突っ込む。
熱を持った瑞の自身に直に触れると、うっとりと呟いた。