第26章 紅白
桃は目を潤ませて瑞を振り返る。
「んあ、あっ……う、瑞」
「あ……イきそう、ですか……わ、私も……」
瑞も熱っぽく呻き、手の動きを早めた。
桃が奥歯を噛む。
「うッ、う! あう!」
瑞もぎゅっと目をつぶった。
「ッ、く……!」
腰を震わせ、思いっ切り精を弾けさせる。
瑞の男根はどくどくと震え、勢いよく白濁液を吐き出す。
「つう……っ、ン、ふっ! ううっ……!」
快感に浸る間もなく、桃の切っ先から溢れた精液が咥内を満たす。
粘度を持った熱い液体が口に吐き出され、舌にたっぷりと乗っかれば、青臭い味が広がる。
「う、ぅう……」
瑞は余りの生々しさに眉根を寄せるも、
「……ン、ぐ……」
反射的に飲み込んでいた。
ごくりと嚥下し、しばらく呆然としていたものの、桃が体をどかすのに合わせて自分も身体を起こす。
「も……桃さ、あああああーッ!」
桃に視線をやり、大きな声で叫んだ。
桃の綺麗な顔には、瑞の溢れさせた欲望がたっぷりとぶっかけられていた。
悲鳴をあげる瑞と対照的に、桃はきょとんと首を傾げる。