第26章 紅白
「ん……」
夜、ぐっすりと眠り込んでいた瑞。
下半身に違和感を覚え、ぼんやりと目を開いた。
視線を下にやり、大きく目を見開いた。
「え……!?」
布団の中に桃が潜り込んでいたのだ。
桃は興味津々な様子で緩く頭をもたげ始めた瑞のモノを弄くっている。
褌の中から取り出したそれを両手で包み、表面を指先で摩ればピクッと脈を打った。
瑞は一気に目を覚まし、慌てて布団を剥がす。
「ちょちょちょちょ! 桃さんッ!」
桃は体を起こし、瑞と向かい合う形で座る。
困惑と混乱の渦の中にいる瑞を嬉しそうに見つめる。
「しー」
自分の唇の前で人差し指を立て、無垢な笑顔を浮かべた。
瑞の心がきゅっとときめくも、下半身丸出しの自分の状態を思い出して首を振る。
「そ……そう言われましても」
流石に絆される訳にはいかないと、表情を引き締めた。
「桃さん、どうしてここにいるかは分かりませんが、躑躅さんが心配されますよ?」
桃は滔々と説き伏せる瑞の両肩に手を置く。
「私も正直、一緒の布団で寝るくらいは吝かではありませんが」
そのまま布団に押し倒した。
「やはりこういったことは……ってあれ!? ちょっ、桃さん、私の話を聞いッ……あ……!」
瑞の語尾が跳ねる。