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ねぇ

第6章 節目


大輝side

「いやーにしても、まっつん久しぶりだなー」

ああ。高校んときからの顔ぶれに落ち着く。
お酒を仰いでいる好青年の河野。
陽にこんがり焼けた小麦色の肌、気さくで話しやすいやつだったし、入学して一番最初にこいつが声かけてくれなかったら俺孤立してたかもしれない。とにかくいい奴っていうのが前面にでてる。

「んねー。最近どう?九州?のどこだっけ?」

俺にLINEをくれた栗原だ。
姉の影響か色白で肌が綺麗。
すまし顔でクールな素振りはまさに大学デビュー成功したような佇まい。
女は取っ替え引っ替えしてそうだけど本命はいなさそうな残念なイケメンだと思う。そんなことはないと思うけど、実際に女友達は多いらしくて、飲みに行ったであろう写真なら多く残ってる。

「それ俺去年も言ったくない?」
「あー、そー?覚えてないわ」
「ほんと、くり安定」

俺はクスッと笑う。
栗原は酒強いし酒好きだからペースが俺たちと段違いだ。
まだ始まって30分も経ってないのに四杯目のビールを頼もうとしている。

もう1人お酒も頼まず黙々と鶏肉を食べているのは西沢君だ。
西沢君はなんとなくこのグループにいるもののなんか空気感が独特すぎて実は俺はあんまり仲がいい実感がない。

できれば隣は河野か栗原がよかったんだけど適当に座ったら隣が西沢君になってしまった。

「ねぇ、くり」

唐突に西沢君が口を開いた。

「んあ?」
「そのネックレス、新しい?」
「あ、ああ。これ」

栗原は意外にアクセサリーが好きらしい。
大学生のなってから両耳合わせて10個以上ピアスをしている。黒光りするバチバチのピアスが栗原の鋭い三白眼と相俟ってイカつい。

「それな。俺きた時から思ってた!なんか新品っぽいよね」
「おん。まぁ、悪くないし、いいかなって」

銀色に光るネックレス。
俺はどっかで見たことある気がしていた。

…酔いがまわって来ているのか思考が鈍い。

「あー。そういえば先週シリーズ完結したアニメ見た?」

河野が唐突に話題を変えたことで俺はさっきの考え事が頭からすっかり抜けてしまった。西沢君と栗原も河野の話題に食いつく。場があったまり出した。
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