第1章 childhood days
夜空がピカリと光り、目を覚ます。
雷…?
いや、これは…炎!?
急いで寝床から飛び出して夜空を見上げ、目を見開く。
『……ぇ?』
夜空を照らしていたのはドラゴン達の魔法だったのだ。
それも、無数のドラゴン達だ。
彼らは、ただ1頭のドラゴンへ向かって次々と魔法を繰り出し続けている。
なに、これ…
ふと思い出すチェリアーナに連れられて盗み聞いたドラゴン達の会話。
…あれが、アクロノギア!!
もし、本当にそうなら…今日が竜王祭、なの?
標的となっているドラゴンはダメージが少なく、無数のドラゴン達が明らかに劣勢であった。
う、嘘…
こんな数のドラゴンを相手にしているのに。
あれは…イグニールとチェリアーナ!?
ボロボロな彼らが地へ落ちていくのを見て、考えるよりも先に落下地点へ魔力を込めた足で跳んだ。
『チェリアーナ!!』
ぐったりとする双竜に駆け寄れば、以前少し教えてもらった癒しの魔法を使いながら、叫ぶように口を開いた。
『やだよ、負けないで!まだ、教えてもらってない魔法が、いっぱい…いっぱいあるよ!
チェリ、アーナと、まだ一緒に居た、いよ…
私を、1人にしないで……』
少しずつ顔色が良くなる双竜だが、大きすぎる彼らの身体を完全に癒し切ることは出来ず、魔力が底をついてしまう。
チェリアーナが私の中に入るとしたら、次会えるのは随分先になるはずだ。
そんなの、嫌だよ…!
「チェリアーナの子よ」
『ふ、ぇ…いぐ、にー、る』
「我、イグニールの子、ナツを側に置くと約束しよう。さすれば、1人にはなるまい。
…そなたの魔法のおかげでナツのところまで帰れることを感謝する」
『チェリアーナじゃないと意味ないの!』
「チェリアーナは時期にミアの中へ入る。居なくなるのではない」
『でも、でも…!』