第2章 dragon egg?
「ミア!」
『ん…?』
「今、卵が動いたぞ!」
『ナツ…おはよ……昨日の夜も動いてた、よ?』
「本当か!?」
朝起きれば、ベッドの上で飛んだら跳ねたり嬉しそうなナツ。
卵が孵ることはおめでたいことなんだけれど、変なモンスターでないか心配な私。
言っても絶対聞いてくれなさそう…
ナツがベッドの上でテンションマックスなため、これ以上寝られないと悟ってシャワーを浴びに起き上がると、キラキラな笑顔で覗き込まれる。
「早く準備しろよ!ギルドのみんなに知らせねぇと!」
『わ、分かった!』
そんな楽しそうに言われたら断れないよ…
急いで準備してギルドに向かえば、楽しそうに卵を見せて回るナツ。
急いだ甲斐があって良かった
「ミア大丈夫か?疲れた顔だが…」
『朝早くからナツがはしゃいでて…あはは』
「あんなに楽しそうにされちゃぁ…ねぇ」
そうエルザとカナも苦笑いだ。
気付けば、卵を持ったエルフマンが近くに来て、
「ミア、見てくれよ!卵が凄い動いてる!」
『ええっ!?な、ナツ!?卵が…!てか、なんでエルフマン!?』
「ナツが俺に放り投げてきやがって…」
「エルフマン!ありがとよ!って、うわっ」
パキパキ…
ナツの手に卵が戻った瞬間、卵に大きなヒビが入り、その場にいた全員が目を丸くした。
産まれる…!?
みんなが歓声を上げれば、割れた卵から青白い光が宙に浮き、目を細める。
「ぴゃあ!」
えっ!?
「「「「猫!?!!」」」」
羽が生えた青い猫がギルド内の宙を飛んでる…?
近くにいたリサーナとナツが嬉しそうな笑顔になり、ギルド中のみんなも飛んでいる猫を見上げていた。
『可愛い…』
「初めて見る生き物だな」
「ね!すっごい可愛い!」
そうエルザとカナと笑い合っていれば、ふよふよと浮いていたその猫は、ナツの元へ降りてくる。