第2章 dragon egg?
ぎゅっと苦しいほどにナツに抱きしめられて思わず息を止めてしまう。
!!
こんな風に強く抱きしめられたのはナツが寝ぼけていた時以外では初めてで、驚きと緊張で言葉が発せない。
ナツの服を掴めば彼の片腕が離れて、グレイの方を向いた。
「おいグレイ。ミアに傷1つでも付けたらマジで許さねぇからな」
いつもより少し低いその声に私の背筋が少し凍りそうになる。
ナツどうしちゃったの?
怪我するような依頼でもないのに…
「んなこと分かってるっつの。早く離せよ、ミアが苦しそうだろ」
『ナツ…?』
「…気をつけろよ」
『心配してくれてるの?
…ふふっ、私のがナツより強いから大丈夫だよ?ありがとう』
「う、うるせー!」
私を抱きしめていたナツの腕が緩んで、彼と目が合えばその顔は真っ赤に染まっており、さらに笑ってしまう。
良かった、いつもの可愛いナツだ
『行ってきます』
「おう!」
くすりと笑ってグレイの隣に戻る。
はぁ、と大きく息を吐き出すグレイを覗き込めば、目が合ってぷっと2人で吹き出した。
ナツ、可愛かったなぁ
「ナツのやつ、あんな過保護だったか?」
『私もびっくりしちゃったよ。卵を育てて何か変わったのかなぁ』